「おはよう美世と理穂ちゃん」


せっかく須賀君から声をかけてきてくれたのに、ついそっぽを向いてしまう。


「おはよう須賀君!」


そんなあたしと正反対に元気、かつ甘ったるい声で反応したのは理穂だった。


見ると理穂の頬は赤く染まっている。


「ちょっと理穂!」


「え? あぁ、ごめん、つい」


睨み付けるとようやく自分が赤面していることに気がついたのか、理穂は自分の頬に触れた。


まったく、油断も隙もないんだから!


そう思いながら教室内を見回してみると、女子生徒のほとんどが須賀君に視線を向けていることに気がついた。


みんな目がハートマークになっている。


それところか、男子生徒までチラチラと須賀君に視線を送っているのだ。


ちょっと、冗談でしょう!?


あまりのライバルの多さにめまいがする。


「美世、顔色悪いけどどうかした?」


その言葉と同時に、額にもっふりとした感覚があった。


ハッと我に返ると目の前に須賀君の顔がある。


須賀君はあたしの体調を気にして、もふもふな手であたしの熱を測っているところだった。


「だ、大丈夫だよ!」


突然の至近距離に驚き、椅子ごと飛びのいた。


須賀君はキョトンとした表情であたしを見つめる。