男子生徒たちはあっという間に須賀君を取り囲んでしまった。


「この2人を解放するかわりに、お前を好きにさせろ」


金髪男の提案に須賀君は躊躇することなくうなづいた。


「わかった。僕のことは好きにすればいい」


嘘でしょ須賀君!


瞬時に須賀君がボロボロになる光景が浮かんでくる。


最悪死んでしまうかもしれないのに……!


「いいんだな?」


「僕に二言ないよ」


須賀君はそう言うとその場に座った。


抵抗する気がないとわかったとか、途端に男立ちの手が須賀君へ伸びる。


いやああ!


あたしはギュッと両目を瞑った。


須賀君が暴力を受けている場面なんてとても見られない!


そして……もふっ。


やわらかそうな音が聞こえてきた。


もふっ……。


もふもふもふもふっ。


え?


そっと目を開ける。


男子たちが須賀君に触れてもふもふと楽しんでいる。


さっきまで人を殺しそうな顔をしていた連中もみんな頬をピンク色に染めていた。


ど、どういうこと?