☆☆☆

あたしは失敗してしまったんだろうか……。


朝の出来事から須賀君はすっかり不機嫌で、話かけてもあまり返事をしてくれなかった。


昼休憩中にはいつもどおりお弁当に誘ったのだけれど、断られてしまった。


結局、今日は理穂と2人で中庭でお弁当を広げている。


「須賀君も男の子だったんだねぇ」


先にお弁当を食べ終えた理穂がボンヤリと呟く。


「うん、そうだね」


須賀君が可愛いからつい忘れてしまいがちだ。


男子が女子に守られるなんて、きっとプライドが傷ついたに違いない。


あたしたちは須賀君の気持ちをなにも理解してなかったんだ。


落ち込んだとき、不意に影が見えてあたしと理穂は同時に顔を上げた。


見るとそこには今朝の10人の男子たちが立っていたのだ。


ハッと息を飲んで逃げ出そうとするが、後ろにも男子たちがいて取り囲まれてしまっていた。