可愛い須賀君が喧嘩も強いとなると、人気は更に高まることだろう。


「でも、あの3人もしばらくおとなしくなりそうでよかったじゃん? 他のクラスだけど、すごくうるさくて授業にならなかったって言うし」


理穂は前向きなことを言ってくれる。


「まぁ、それはいいんだけどね」


チラリと女子の輪を見つめる。


須賀君がおならをしたことを恥ずかしがっているため、女子たちは須賀君が喧嘩をして勝ったと思っているようだ。


修正したいが、須賀君のことを思うとそれも阻まれる。


この人気が悪いほうへ向かわなきゃいいけれど……。


あたしは内心の不安を押し隠して、気がつかれないようにため息を吐き出したのだった。