「ちょっと!」


声を上げてみたところであたしを気にしている様子もない。


須賀君の小さな体は見えなくなってしまった。


こ、これはやばいんじゃない!?


「やめてよ!」


どうにか男たちに割って入ろうとしてみてもうまくいかない。


もう先生をつれてくるしか……!


そう思ってきびすを返したときだった。


ぷぅ~という音が響いていた。


その音がなんなのか確認する前に須賀君が目の前にいて、あたしの口にガスマスクが押し当てられていた。


な、何が起こってるの!?


周囲の空気が黄色く包まれていくのが見える。


そして3人の男子たちがバタバタと倒れ始めたのだ。


まさか毒ガス!?


いや、でも須賀君はガスマスクをつけてないし、どういうこと?


「行こう」


さっぱり自体を理解できないまま須賀君に手を引かれて、あたしはその場を後にしたのだった。