この世界は負に満ちている。
この世界は・・・この世界は・・・
最低で、最高な世界だ。


教えてくれた・・・。
あの人が



あれ・・・なんで泣いてるんだ?



この世界に愛が溢れていたなら、何か変わったのだろうか?


僕はいつも見ているバラエティー番組を見ていた
そのバラエティー番組では「この世界が〇〇で溢れていたなら」という題の大喜利をやっていた。
ある芸人は思いやりと言い、ある芸人は敬意と言い、本当にバラエティー番組なのかと再確認するほど芸人がウケを狙わずに真剣に応えていた。
バラエティー番組としては完全に放送事故だろう。
でも僕はいつになく、バラエティー番組を真面目に見ていた。
妹もいつになく真面目な顔で見ていた。
妹は現在高校1年生である。名前は美玲。
妹といっても僕と同い年で、生まれた月が少しだけ僕のほうが早かっただけだ。
僕より全然しっかりもので、まじめだった。
「お兄ちゃん、この世界に何があふれていると思う?」
「この世界には・・・ごめん分からない・・・。美玲はどう思う?」
「私は・・・愛だと思う。」
「愛?」
「うん。溢れているというより、愛が溢れていて欲しいな・・・。」
「ふっ 美玲はとんでもないお人好しだな」
「いや、私は本心だよ!」
「うんうん、わかったわかった」
(それがお人好しっていうんだよ・・・)

僕は自分の妹ながら尊敬した。
それと同時にこの世界に愛が溢れていることを証明したいと思った