押しても押してもご褒美をくれそうにない店長についに私は静かにキレた。
あーあー、そうですか。そっちがそうなら私にも考えがありますよ。

私はむぅとそっぽを向くと、


「それじゃあ、今回は"貯め"にします」

「へ?」

「ご褒美ポイントを沢山貯めて、そしてもっと大きいことをお願いします」

「っ……」


え?と店長が思わず立ち上がったが私は無視して「じゃあシフト入ります~!」とそそくさその場を去った。
ふふふ、やっぱり店長は焦っている方が"らしい"よ。もっと店長は私に振り回されててよ。

いつか私が店長に振り回される前に。

私は更衣室に向かいながら、「何お願いしようかなぁ~」と鼻を鳴らす。
とりあえず今日も今日とてとてもいい日だ。





「(いつか俺の方が食べられそうだな……)」


本当、うちのアルバイトはみんな好き勝手にやるなあ。