「桐谷ー、これ他のヤツに見られたら困るでしょー?」
「……」
「何で困るんですか? こんなに可愛い彼女さんなのに」
「……はぁ、」
桐谷先輩は諦めたように一言、「可愛くないし」と声を漏らした。
えぇ、可愛いのになぁ。というか桐谷先輩に彼女がいる話って本当だったんだ。
「ほらほら、小野に英語教えなさい。どうせ一番多くシフトに入ってる小野が補習とかで抜けたら困るの私たちだよ」
「……え、花宮さん。もしかしてその為だけに?」
ちょっと嬉しかったのに。でも確かに花宮さんってそういう人だったよ。
私がトホホと肩を落としていると桐谷先輩が観念したように私に近付いて問題集を掴んだ。
「何処?」
「え、いいの?」
「自分の弱点晒されるより全然いい」
自分の彼女弱点って言う人初めて見た。
いやでも桐谷先輩頭良さそうだしそんな先輩に教えて貰えるのはやっぱりついているかもしれない。花宮さん様様。
何処なの?、と聞かれたので「全部ー」と答えたが早速桐谷先輩に睨まれてしまった。あ、これ絶対スパルタだ。
呆れたように問題集に目を戻した彼はその英文を少し見つめると動きを止めた。
「小野、お前学校どこだ」
「え、学校ですか?」
流谷ですよ?、と答えると休憩室の空気が一気にざわついた。
「え、流谷って……そこに通ってるんですか?」
「え、はい……」
蒼先輩までもが私のことを目を丸くして見つめる。
「あー、だから私小野の制服どっかで見たことあると思ってたんだ」
花宮さんは納得したように珈琲を飲みながら壁に凭れていた。
紅先輩に至っては何の話だか全く分かっていないようだ。
「はぁ? 川流れだか南京玉簾だか知らねぇが、瑞希ごときが俺様の天才的頭脳に勝てるわけねぇだろ」
「寝言は寝てからだよ、紅。小野さんが通ってる学校は県でも偏差値が高い学校で紅なんか石ころみたいなもんだ」
「え、そうなの?」
ざわついた休憩室に驚く私は「ちょっと待ってください!」と周りを落ち着かせようと椅子から立ち上がる。
「家から近いって理由だけでその学校選んだだけですので! それに入れたのも何かのまぐれだと思いますし!」
「いやー、小野がまさか頭がいいとは」
「人間見かけによらないんだな」
「人の話聞いて!」
うぅ、この「小野って実は頭よかったんだ~」って空気になるのが嫌だからずっと学校のことは黙っていたのに……
「……」
「何で困るんですか? こんなに可愛い彼女さんなのに」
「……はぁ、」
桐谷先輩は諦めたように一言、「可愛くないし」と声を漏らした。
えぇ、可愛いのになぁ。というか桐谷先輩に彼女がいる話って本当だったんだ。
「ほらほら、小野に英語教えなさい。どうせ一番多くシフトに入ってる小野が補習とかで抜けたら困るの私たちだよ」
「……え、花宮さん。もしかしてその為だけに?」
ちょっと嬉しかったのに。でも確かに花宮さんってそういう人だったよ。
私がトホホと肩を落としていると桐谷先輩が観念したように私に近付いて問題集を掴んだ。
「何処?」
「え、いいの?」
「自分の弱点晒されるより全然いい」
自分の彼女弱点って言う人初めて見た。
いやでも桐谷先輩頭良さそうだしそんな先輩に教えて貰えるのはやっぱりついているかもしれない。花宮さん様様。
何処なの?、と聞かれたので「全部ー」と答えたが早速桐谷先輩に睨まれてしまった。あ、これ絶対スパルタだ。
呆れたように問題集に目を戻した彼はその英文を少し見つめると動きを止めた。
「小野、お前学校どこだ」
「え、学校ですか?」
流谷ですよ?、と答えると休憩室の空気が一気にざわついた。
「え、流谷って……そこに通ってるんですか?」
「え、はい……」
蒼先輩までもが私のことを目を丸くして見つめる。
「あー、だから私小野の制服どっかで見たことあると思ってたんだ」
花宮さんは納得したように珈琲を飲みながら壁に凭れていた。
紅先輩に至っては何の話だか全く分かっていないようだ。
「はぁ? 川流れだか南京玉簾だか知らねぇが、瑞希ごときが俺様の天才的頭脳に勝てるわけねぇだろ」
「寝言は寝てからだよ、紅。小野さんが通ってる学校は県でも偏差値が高い学校で紅なんか石ころみたいなもんだ」
「え、そうなの?」
ざわついた休憩室に驚く私は「ちょっと待ってください!」と周りを落ち着かせようと椅子から立ち上がる。
「家から近いって理由だけでその学校選んだだけですので! それに入れたのも何かのまぐれだと思いますし!」
「いやー、小野がまさか頭がいいとは」
「人間見かけによらないんだな」
「人の話聞いて!」
うぅ、この「小野って実は頭よかったんだ~」って空気になるのが嫌だからずっと学校のことは黙っていたのに……