私と紅先輩の戦争が更に激しさを増そうとしたその時だった。
「紅」
とてつもなく低く、地響きが起こるかのように発せられたその言葉に私たちの動きは止まった。
私たちの向かい側の席で肘をついていた彼は呆れたように溜息を吐く。
「紅、小野さんと俺の勉強を邪魔しないで」
「はぁ!? 何で俺だけなんだよ! 瑞希だって!」
「先に吹っ掛けたの紅だろ」
蒼先輩はそう言うと今度は申し訳なさそうに私の方を見た。
「すみません、小野さん。ウチの紅が五月蝿くて」
「い、いえ! 蒼先輩が謝ることでは!」
「紅のことは無視してくれて構いませんから。あぁ、俺と席変わりますか?」
「だ、大丈夫っす!」
慣れてます!、と言うと隣で紅先輩が「何だと!?」とまた大きな声で吠えて蒼先輩にまた睨まれていた。
凄い、蒼先輩。あの狂犬の紅先輩を一言で押さえ込むなんて、流石飼い主……じゃなくて、双子の兄だわ!
「紅」
とてつもなく低く、地響きが起こるかのように発せられたその言葉に私たちの動きは止まった。
私たちの向かい側の席で肘をついていた彼は呆れたように溜息を吐く。
「紅、小野さんと俺の勉強を邪魔しないで」
「はぁ!? 何で俺だけなんだよ! 瑞希だって!」
「先に吹っ掛けたの紅だろ」
蒼先輩はそう言うと今度は申し訳なさそうに私の方を見た。
「すみません、小野さん。ウチの紅が五月蝿くて」
「い、いえ! 蒼先輩が謝ることでは!」
「紅のことは無視してくれて構いませんから。あぁ、俺と席変わりますか?」
「だ、大丈夫っす!」
慣れてます!、と言うと隣で紅先輩が「何だと!?」とまた大きな声で吠えて蒼先輩にまた睨まれていた。
凄い、蒼先輩。あの狂犬の紅先輩を一言で押さえ込むなんて、流石飼い主……じゃなくて、双子の兄だわ!