「だからそんなに連絡してきちゃ駄目だよ?」

「えー、店長に毎日愛のモーニングコールしたいです」

「い、いらない……ちゃんと必要な時に使ってくれたら嬉しいんだけど」


と念押しにされ私は仕方がなく「はーい」と返事をした。
連絡先手に入れたら毎日毎日ラブメールを送ろうと思ったけど、これを手に入れただけでも本当によかった。

大事にしますね!、と紙を握ると彼は暫く黙った後「あとさ、」と車を走らせた。


「バイトから帰った後、家に着いたら連絡ください」

「……え」

「一応人様のお子さんをこんな時間まで働かせているわけだし、安全面に安心がいく訳じゃないから。だから帰ったらちゃんと帰りましたよって俺に知らせてほしいんだ。心配だからね」

「っ……」


あぁ、もう……駄目だ。店長のこういうところ、駄目だ。
自分が子供扱いされているって分かっているのに、店長のこういう性格が私は本当に好きなのだ。好きで好きで、あの頃からずっと好きなんだ。


「店長狡い、これ以上私のこと好きにしてどうするおつもりですか?」

「そういうつもりはないし、一応真剣な話をしてるんだけど」

「16歳になったら結婚してほしいです」

「っ、無理だよ!!」

「えー」


そこまで否定しなくてもいいじゃないか。
でも流石に店長の顔色も悪くなってきたからここら辺でやめておこうかな。やっぱり店長を虐めるのは楽しいなって思ったり。