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「(しまった、失敗したかも……)」
おかしい、すでに三十分は歩いている筈なのに前に駅が見えてこない。
今日は花宮さんの倉庫整理を手伝っていて、気が付いたら他の学生メンバーはもう帰ってしまっていた。
私も慌てて外に出て、少しでも早い電車に乗ろうと近道に普段曲がらない角を曲がった。
そうしたらどうだろう、思ったよりも外が暗くてどこを歩いているか分からず、ずっとこの辺をぐるぐるしている。
ジョイストに帰ろうとするも全然道分かんないし本当に参った。もう時刻も十時半を回りそうで、腕時計を見る度に不安が募る。
もうこうなったらジョイストに電話掛けて店長に迎えに来てもらおうかなぁ、なんて思ったけど。もしかしてそれってナイスアイデアじゃない!?
でもそういえば今日は店長、出張でお店いないんだった。
「(私、ここで飢え死にするのかな…)」
そう思った瞬間、私の隣に真っ黒な車が止まった。
一瞬ヤクザの車だと思った私は「ひぃいいっ!!」と道の端っこに寄って体を震えさせた。
な、何!? どうしてそこに止まるの!? 誘拐!? 誘拐なの!?!?
もしかして変なお屋敷に連れていかれて体を改造されてしまうんじゃ……そんな、私まだ店長とキスもしていないのに……


