「店長の連絡先?知らないけど」


そう言った花宮さんに私の野望は打ち砕かれた。
最後の最後の綱だった花宮さんに聞いてみたのだが、結局店長の連絡先は分からずじまい。


「本人に聞けば?」

「私がそれを一番先にしないと思いますか?」

「聞いたんだ?」

「はい……」


つい二日ほど前のこと、高野先輩たちの話から店長の連絡先を知らないことが発覚した私は真っ先に店長の元へ向かい、連絡先を教えてくれるように頼んだ。
しかし彼は何故か頑なに教えようとはしてくれず、私が彼の連絡先を手に入れることができなかった。

そこで私は休憩に入る前の彼女のことをとっ捕まえたのだった。


「花宮さん、本当に知らないんですか?」

「知らない、よくあの人が店出てるときに何かあったら連絡するように言われてる番号ならあるけど」

「そ、それだ!」

「けどこれはどうやら本部から支給されてる仕事用の端末のだから店長のものじゃない」

「……」


一瞬の希望が呆気なく消え去り、その場で落胆するほかなかった。
どうして店長は教えてくれないんだろう。そんなに私って信用無い? 好きな人の連絡先でどうこうしようなんて思えるわけがないのに。


「因みに、あの人店のLINEグループにも入ってないからね」

「ですよね」