そこまで言うなら仕方がない、と高校の制服のリボンに手を伸ばし外そうとするが、部屋の隅から慌てて掛け寄ってきた彼が「駄目だって!」と私の手を掴んだ。


「小野さん、着替えるんなら更衣室行こうか?」

「え、店長も一緒に来てくれるんですか?」

「うん、今のは俺の言い方が不味かったな。更衣室行ってくれる? “一人”で」

「……」


ここまでJKブランドを駆使しても全くブレないのは逆に安心感まで生まれてくる。
確かに店長の年齢の男性が女子高生に手を出してしまえば犯罪者だし、彼はとても正常な考えを持っている人だという根拠にもなる。

きっと単純に年下には興味がないのだろう。まず私は彼の恋愛対象にも入っていないのだ。
それは困ったことだと私は頭を抱える。こんなにアタックしても店長の恋愛対象にもなれないまま終わってしまう可能性もある。


「店長……」


私がそう涙ぐみながら店長の顔を見上げると彼はぐっと後ろへと引いた。

もう、好きの対象になれないのならば……


「好きです、店長。私は店長になら何をされてもいいんです」

「っ……」


私の本気を伝えるまでだ。
そう思って言った一言に店長が今までにない動揺を見せ、そして近くにいた花宮さんに助けを求める。