そっかそっか、と笑い合う二人に「そんなことないもん!」と即座に言い返す。
それにいざこざがないって言っても、一応今までに何回かは喧嘩したりして険悪なムードになったりはしているけど。

だけどその度、結局は店長のことが好きという気持ちが先行して、怒っていた気持ちを忘れてしまうんだよね。


「(恋のライバルか……)」


このあいだ、畠山さんがそうかもしれないって思ってたけど、畠山さんは結局のところ男性で店長とはなにも関係なかった。
バイトを始めてからずっと店長のことを見てきたけれど、私が知る限り彼の周りには女性の影は見当たらない。


「まあ、三十路の店長が瑞希みたいな女子高生の相手している方が心配でしょ」

「それもそうだ」


二人の言葉を片隅に置きながらも、私の頭の中にとある説が思い浮かぶ。

もしかして店長は……


「(店長は……モテない!?)」


あんなにも格好いいのに!?