私は彼の表情を伺いながら「じゃあ~」と、


「彼女さんのどこが可愛いと思います?」

「お前はそれに俺が答えると思ってんの?」


馬鹿なの、と流れるように罵倒をされたが私はめげない。


「全然惚気てもらって構いませんよ? 是非彼女さんのお話聞かせてください!」

「だから言わないって」


なんとか私は店長を落とすためのテクニックが欲しい。こんな堅物の桐谷先輩を落とした彼女さんなら物凄いテクニックを持ち合わせているはずだ。
私はなかなか答えてくれない桐谷先輩に不貞腐れながら溜息を吐く。


「はぁ、分かりました。じゃあ彼女さんに直接話を聞くことにします」

「知らないだろ、俺の彼女の連絡先」

「調査します。無理だったら花宮さんに聞きます。何か花宮さんそういうことに詳しいし」


元々そのネタを持っていたのは花宮さんだったす、きっと他にも桐谷先輩の彼女さんについて情報を握っているはずだ。
私がそう言うと彼は苦虫を噛み潰したような表情でこちらを見ていた。彼は花宮さんにン苦手意識があるのか、彼女の名前を出すといつもこの顔をする。