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学校終わり、しーちゃんといつものようにバイト先に来ると控え室で隅っこに何やら白い置物のようなものを見つけた。
「え、何あの生ゴミみたいなの」
「瑞希ちゃん……」
そう立ち止まった私におずおずと後ろにいたしーちゃんが言う。
「あれは生ゴミじゃなくて、高野さんじゃないかな……」
確かに、それはよく見ればゴミのように白く焼け果てた紅先輩のような気もしてきた。
紅先輩は控え室の隅っこの方のパイプ椅子に腰掛けながら、呆けたような顔で宙を見つめていた。この間までは最近できた年上の彼女にウキウキしてた癖に、この短期間に一体何があったのか。
この状況をスルーするかどうか迷っているともう一人控え室に人が入ってくる。
「あれ、どうしたのこんなところで集まって」
「て、店長! 紅先輩が!」
「高野くん?」
そう言って私たち同様に部屋の隅へ視線を向けた店長は紅先輩の姿を見るなり「うわぁ!」と怯えたような雄叫びを上げた。
「ゆ、幽霊かと思った……」
「私の生ゴミより酷いじゃないですか」
「あれ、本当に高野くんなの?」
そう疑ってしまいたくなるのも分かる。いつものノリと勢いだけで生きている紅先輩があそこまで落ち込んでいる姿を見るのは初めてだ。
落ち込む? ということはまさか……
「え、紅先輩もしかして振られたんですか?」
「振られてねぇーよ!」
「わっ、吃驚した!」