「もし君たちに何かあったら、それは全部俺の責任になる。何よりも君たちの親御さんが物凄く心配する」

「……」

「……俺だって、心配する。凄く、後悔すると思う」


店長の困った顔は沢山見てきた。それが大好きだった。
でも、こんなに悲しそうな顔は初めて見た。

そして、もう二度と見たくないと思った。


「俺に何も相談しないで勝手に危険なことをする小野さんは、俺は嫌い」


彼のその言葉は私に深く突き刺さった。あの温厚な店長の口から「嫌い」なんて言葉が出て来るなんて思ってもみなかった。
それは想像すら出来なかった。絶対に言われたくないって思ってたから。

怒らせたいわけじゃなかった。


「ごめん、なさい……」


自然と溢れ出る涙が止められなくなる。

全部、私のせいだ。


「うぅ、ごめんなさぁあいっ」


私が店長に良く見られたくてみんなを巻き込んだ。全部全部私のせいだ。
そう声を上げながら泣いて、私は店長に強く抱き着いた。


「もう二度とっ、二度としないから嫌いにならないでくださぁいっ……!」

「……」


だから嫌いなんて言わないで。もう勝手なことしないから。
店長の気を引くために変なことしないから。

だから、私のことを拒否しないでください。