お巡りさんからの言葉に返事をした店長が黙り込むと緊迫とした空間が広がった。
誰か最初に話し出すのか、そう思っていると思いがけない人物から「あの」と声が上がった。
しーちゃんは椅子から立ち上がると口元を震えさせながら店長に向かって頭を下げた。
「こ、この度は私の兄がごめんなさい……」
「宇佐美さん?」
「……兄は私のことを心配して、それでお店まで来てしまっていたようで」
あの人前で話すのが苦手なしーちゃんが一人で話し始めたのを聞いて、それほど今回のことに責任を感じているのだと思った。
直ぐ様彼女の隣に行こうとするがその前に彼女のお兄さんが同じように立ち上がって、
「すみません、俺……妹のことが心配で。ずっと人前に出るのが苦手だった雫がアルバイトをするって聞いて、どんなお店が気になってしまったんです」
「そうですか……」
「あ、お店は一度食べにもいかせてもらって! 凄くいいお店だと思ったんです! ですけど帰りも遅いし心配で、それでそれだけでも見守ろうと思って……」
それを聞いていた蒼先輩が「それじゃあ」と、
「普通に一緒に帰ったらよかったのでは? あんな後ろからつけているのでは不審者と間違えられても」
「そ、それは……」
チラリとしーちゃんの方を見たお兄さんははぁと溜息を吐く。
「妹にウザがられてしまって。なので内緒でストーカーのようなことを」
「え、」
あのいつも寛容なしーちゃんがウザがるって、全然想像が付かない。
しかしお兄さんは本当にしーちゃんのことを大切に思っているようで、今回のことは全部悪気があったことではないらしい。
私たちも勝手に不審者だと思ってしまったことをさっき謝ったけれど、全く怒ったりもせずに逆に沢山謝らせてしまった。そんなことから彼が悪い人ではなく、ただ妹思いのお兄さんであることが分かっている。
お巡りさんは「しかし今回のようなことは二度としないでください」と注意をし、それも彼も落ち込みながら「はい」と頭を下げていた。
店長は蒼先輩の連絡でお店から出てきてくれたようだ。
交番に入ってきた時に顔が真っ青だったのは通話先で私たちが巻き込まれたと聞いたからだと言う。
誰か最初に話し出すのか、そう思っていると思いがけない人物から「あの」と声が上がった。
しーちゃんは椅子から立ち上がると口元を震えさせながら店長に向かって頭を下げた。
「こ、この度は私の兄がごめんなさい……」
「宇佐美さん?」
「……兄は私のことを心配して、それでお店まで来てしまっていたようで」
あの人前で話すのが苦手なしーちゃんが一人で話し始めたのを聞いて、それほど今回のことに責任を感じているのだと思った。
直ぐ様彼女の隣に行こうとするがその前に彼女のお兄さんが同じように立ち上がって、
「すみません、俺……妹のことが心配で。ずっと人前に出るのが苦手だった雫がアルバイトをするって聞いて、どんなお店が気になってしまったんです」
「そうですか……」
「あ、お店は一度食べにもいかせてもらって! 凄くいいお店だと思ったんです! ですけど帰りも遅いし心配で、それでそれだけでも見守ろうと思って……」
それを聞いていた蒼先輩が「それじゃあ」と、
「普通に一緒に帰ったらよかったのでは? あんな後ろからつけているのでは不審者と間違えられても」
「そ、それは……」
チラリとしーちゃんの方を見たお兄さんははぁと溜息を吐く。
「妹にウザがられてしまって。なので内緒でストーカーのようなことを」
「え、」
あのいつも寛容なしーちゃんがウザがるって、全然想像が付かない。
しかしお兄さんは本当にしーちゃんのことを大切に思っているようで、今回のことは全部悪気があったことではないらしい。
私たちも勝手に不審者だと思ってしまったことをさっき謝ったけれど、全く怒ったりもせずに逆に沢山謝らせてしまった。そんなことから彼が悪い人ではなく、ただ妹思いのお兄さんであることが分かっている。
お巡りさんは「しかし今回のようなことは二度としないでください」と注意をし、それも彼も落ち込みながら「はい」と頭を下げていた。
店長は蒼先輩の連絡でお店から出てきてくれたようだ。
交番に入ってきた時に顔が真っ青だったのは通話先で私たちが巻き込まれたと聞いたからだと言う。