交番で待っていると大きな足音を立てて駆け込んできた店長が声を上げた。
「みんな大丈夫!?」
「店長!」
私は椅子から立ち上がると彼の元へと向かう。
私の顔を見て安心したように息を吐いた彼は「あれ?」と、
「どうして花宮さんが」
「いや、コンビニにアイス買いに来たら偶然居合わせたの。言っとくけど変質者捕まえたの私だから」
「変質者っていうか……」
部屋の一番奥に座っている黒パーカーの男性は丁度手当が終わったようで店長は慌てて彼に駆け寄った。
そして、
「この度は本当に申し訳ありませんでした」
「いやいや! 俺がその……」
「お怪我をさせてしまったようで」
「あ、あはは。吃驚しました。細い方なのに力が強くて」
それを聞いた花宮さんが「ふん」と鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。
「ここ最近耳にしていた不審者情報はどうやら彼のことで間違いないようです」
「そうですか……」