「捕まえたんですか?」

「あ、はい。花宮さんがていやっ!って」

「ていうか花宮、お前やっぱ普通の女じゃねぇな」

「は? アンタに言われたくないんだけど」


睨み合う花宮さんと紅先輩を止めていると蒼先輩の背中から恐る恐る男の顔を覗き込んだしーちゃんが「あ!」と驚きの声を上げる。


「どうしたの、しーちゃん。もしかして顔知ってるの人?」

「知ってるっていうか……」

「?」

「……私の、兄です」


……兄?