「ストロベリーパフェニつ」

「ストロベリーパフェニつですね。かしこまりました」


遊びの帰りだと思われる女子高校生二人組の注文を受けて戻ると設置されている小さめの冷蔵庫を開いた。。
基本、デザートは厨房に負担を掛けないためにフロアスタッフで作ることになっているのだ。厨房にある大きな冷凍庫の中からパフェに必要な生クリームやフルーツを冷蔵庫に移し、解凍させておく必要があるのだ。

パフェ制作も初めは何回か失敗したものだが花宮さんの指導の成果もあり、今じゃパフェ作りで私の横に並ぶものはいない……と一丁前に自慢してみる。


「(こうやってパフェ作ってるとお腹空いてくるんだよな……休み時間に桐谷先輩に作ってもらおうかな。でもそんな暇じゃないか)」


桐谷先輩と言うのは厨房スタッフの先輩で……まあ、この話はまたの機会にしよう。
ぐぅーっと鳴ったお腹を聞かなかったふりしてパフェを仕上げる。休憩まだかな。休憩まであと数十分、早く店長で癒されたい。

店長は奥の方で業務をしていることが多いのでなかなかフロアに出てきて仕事をすることが無い。
だけど、私はそれでいいと思う。店長がフロアに出てしまったら店長目当てのお客さんが増えてしまう!

私だってまだ店長に接客してもらったことないのに、他のお客さんにしているところを見たら嫉妬の炎で彼をこんがりと焼いてしまいそうだ。

パフェの生クリームを絞った上にイチゴを飾ったところで背後から足音が聞こえた。


「小野さん、お疲れ様」

「っ……店長!」


後ろから声を掛けられ反射的に振り返ると、そこには愛しの店長の姿があった。
普段通りのよれよれのYシャツでへらりと笑う姿はもう恒例のものだ。