私は普段、平日の火曜日と木曜日の放課後、そして休日である土日のお昼から夕方までバイトにシフトに入っている。
本当は毎日店長に会いにきたいくらいなのだが、労働基準で働きすぎるのも駄目らしく、高校生だから課題も多いということで週四で働くこととなった。

今日は日曜日の夕方頃ということもあり、お客さんの入りは多いがお昼ほどではない。頼まれるものはデザート類が多いので厨房の人たちも忙しそうにはしていなかった。


「ご注文伺います!」


自分が思っているよりも声にに機嫌の良さが出てしまう。だけど仕方がない、私にとってバイトの時間は労働時間ではなく、店長に会える幸せの時間なのだから。
お昼からシフトに入っている私は今日一日ずっと店長の側にいられる。ビバ休日! 学校に行かず毎日バイトをしていたいぐらいだ。

それに、休日は家よりも外に出ていたい気分だから。


「(今日も店長は抱き着かせてくれなかったけど、困った顔可愛かったな~)」


花宮さんはディナータイムの少し前にシフトに入ると聞いているので暫くの間学生アルバイトは私だけだ。早く店長について惚気たいのに出来る人がいない。
言いたい、今日の店長には寝癖がついていたんですよって。パーマが掛かってるからちょっぴり分かりにくいけど、私には分かるんですよって。

とピーポーンと軽快な音が店内に響き、私は表示された番号のテーブル席へと向かった。