「あ、花宮さんいた。今日高野くんが補習で遅れるって」

「ああ! 店長!」

「小野さん、おはよう」


おはようございます、小野出勤です! そう挨拶をすると店長は「小野さんはいつも元気だねえ」と目を細める。
今日も店長はやつれているなあ。店長が元気は日はあるんだろうか。

店長から報告を受けた花宮さんは「店長」と、


「小野がストーカー被害にあってるみたいですよ」

「えぇ!? そうなの!? 小野さん大丈夫?」


彼が心配そうに私の顔を覗き込んでくる。


「んー、確かにこの辺人通り少ないし、女の子は危ないかもなぁ」

「だから店長に迎えにきてもらえばって話をしてて」

「そうだね、そういうことなら」


やはり店長は優しいなぁ。いつも私にからかわれて困っているのに助けてくれるんだから。
私は彼からパッと離れると「大丈夫です!」と、


「帰りはみんなと集まって駅まで帰るし、行きもなるべくしーちゃんと来るようにしますんで!」

「でも……」

「それに、なんとなく犯人には検討がついているというか」


犯人?、と首を傾げた彼に私は何事もなかったように微笑んだ。