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店に着くなり私は事務室へと足を向ける。すると店長はせっせと資料を集めて立ち上がっているところだった。
相変わらず無謀着なその背中に助走をつけて勢いよく体当たりをした。


「てーんちょ!」

「っ、お、小野さん。離れよっか」


何度も抱き付かれて慣れてきたのか、私に触れられても特に慌てることはなくなってしまった店長。
慣れてくれたのは嬉しいけれど、それはそれでちょっと寂しいな。


「今日はとあるお願いがありまして! 少しのお時間いいですか?」

「お願い? うーん、俺に出来ることならしてあげたいけど、多分そうじゃない可能性の方が高そうだよね」

「そんなことないです! 店長にしか出来ないことなんです!」

「微妙に会話噛み合ってないの分かる?」


で何?、としっかりと私の話を聞いてくれる体制になる店長の優しさが私は大好きだ。
私は店長とお付き合いがしたい。勿論一緒に海にだって行きたい。

でも今の私が一番店長としたいことは……