「じゃあバイトの人皆誘ってみようよ! 桐谷先輩とか花宮さんとか、蒼先輩とか。ついでに紅先輩とか! 皆で海とかどうかなぁ?」

「う、海!?」


私がそう言うとしーちゃんが隣で素っ頓狂な声を出す。


「う、海なんて! 初めて行く人たちとはハードルが高くて無理だよぉ。それに海ってことは水着にならなきゃ駄目だし、私みたいなアイス棒の体じゃ逆に水着に申し訳ないと言うか、そんな姿を見せてしまう人たちの目を汚してしまうと言うか、そのまま海に流されていなくなってしまった方がいいと言うか……」

「しーちゃん、ネガティブに考え過ぎだよ」

「この世に生まれてきてごめんなさい……」

「しーちゃん!」


いかん、変なところにスイッチが入ってしまったようだ。どうにか気分を変えないと。
どうしようかと頭を悩ませること数秒後、


「今からバイトまで時間があるし、ちょっと水着見ていこうよ!」

「え、ええ!?」


瑞希ちゃん!?、と驚く彼女のことを引っ張って私は近くのショッピングセンターへと向かった。

私が予想した通り、今の時期だと水着のフェアが行われており、特別会場には色々な種類の水着が展示されていた。
しーちゃんはその展示されていた明るい色の花柄ビキニを見てカァッと顔を赤くする。


「や、やっぱり無理だよ! こんな布面積が少ないの下着と一緒だよ!」


ピラピラだよぉ。と両手で顔を覆う彼女の隣で私は自分の携帯を弄る。


「瑞希ちゃん何してるの?」

「店長にメール送ろうかなって。どんな水着好きですか?って」

「店長さん、それ見た途端卒倒しないかな?」


勿論海には店長も誘う。店長のお仕事がお休みの日に当てればいいよね。
となるとやっぱりあのムッツリ店長が興味を示しそうな水着を選ばなきゃ駄目だよね。ここは超セクシーな水着で店長を誘惑するべきかな?