「まぁ、修造並みに毎日ポジティブを座右の銘にしてる瑞希がここまで凹んでいるんだから、制服デートは相当な夢なんだろうね」

「じゃあ適当に誰か誘ってみれば? ほら、丁度いいのが一人いるじゃん」

「……」


その"丁度いい人"の顔を思い出して顔をブンブンと横に振った。


「アイツだけは絶対に嫌! 私の夢を汚させるものか!」

「酷い言われよう」


逆に同情するわと二人はクスクスと笑った。君たちも何気に酷い気がするんだけど。

しかしながらどうしよう、店長か制服デートどちらか選べって言われたら断然店長なんだけど。
どうにか彼に恋をしたまま制服デートを体験できる方法はないものか。

制服……


「ハッ! 店長が制服を着て私とデートすればいいのでは!?」

「「いやいや」」


私の閃きに二人が一斉に総ツッコミを入れた。


「三十路前の男性の制服なんて誰か喜ぶものか」

「えー、でも俳優とかドラマで高校卒業しても着てたりするじゃん」

「アレはまた別でしょうが。芸能人だし」


ナイナイと否定されて私はムッと頬を膨らませた。
そんなことないもん、店長だってすっごく格好いいんだから制服だって似合うはず。

似合う、よね?