その答えにしーちゃんの表情が少しだけ赤くなるのが見えた。その顔に何故だか私まで恥ずかしくなってしまう。


「そ、そうなん、だぁ……店長さんって歳は……」

「んー、今年で三十?」

「え!? そんなに!?」

「もっと若いと思ってた? それとも逆?」

「う、ううん!」


何でもないの!、と強く否定するしーちゃんに私は「えー?」と笑う。
別にね、関係ないの。年齢なんて、生まれた歳なんて、価値観の違いなんて。

全然ね、私には関係ないんだよ。


「私は、店長の優しいところが好き」

「……優しい」


繰り返した彼女に頷いた。


「好きになっちゃ駄目だよ」


私がそう告げるとしーちゃんは「大丈夫だと思う」と言ってまた顔を赤らめた。







「(とことん小野さんに弱いな、俺は……)」


そんな自覚はちゃんとある店長なのでした。