「店長!」
「っ……」
私がそう呼び掛けると少し苦く気まずそうな顔をして履歴書に視線を戻した。
そして、
「期間は夏休みの間だけだっけ」
「っ……は、はい」
「……分かりました、宇佐美さんを雇います」
その言葉に私としーちゃんは顔を見合わせた。どうしよう、自分のことのように嬉しいよ。
「やったねしーちゃん!」
「う、うん!」
いえーい、と手を二人で合わせると今度は店長のところへ駆け寄って「ありがとうございます!」と両手で彼の右手を掴んでぶんぶんと上下に振った。
「店長ありがとー! 大好きです!」
「取り敢えず小野さんと一緒の時間にシフト入れるからね。ちゃんと見てあげてね」
「分かってますよぉ」
「頑張ってね、頼りにしてるよ」
あと手握っちゃだめだからねと促されしぶしぶと彼の手を離す。
そんな私に店長はいつものように困ったような表情を浮かべた。明日の天気が雨だと知った時のような顔だ。
「さっきは俺のこと嫌いってムードだったのに」
そんないじけた様なセリフに私は思わず笑う。
「私が店長のこと嫌いになるときなんてないですから」
これからもずっと覚悟しててください、と得意げに告げるとそのまましーちゃんのことを連れ出す様に事務室を出た。
出る瞬間にしーちゃんが戸惑いながらも店長に向かって深くお辞儀をするのが見えた。
お店を裏口から出ると「瑞希ちゃん!」と声が掛かる。
「いいのかな出てきちゃって。まだ詳しいことは何も」
「いいんじゃない? 履歴書渡してるんだし帰ったらしーちゃんに連絡来るよ。その時にシフトの話もしてくれるって」
「……そ、」
そうなのかな、と心配そうな彼女に「そうなんだよ」と笑った。
それからは彼女と手を繋いだまま駅へと向かう。
「私ね、同じ年の子バイトにいなかったから寂しかったの。バイトの人は全員いい人だけどね。だからしーちゃんのこと嬉しかったの」
「……瑞希ちゃんって」
「ん?」
「……て、店長さんのこと、好きなの?」
「うん」
「っ……」
私がそう呼び掛けると少し苦く気まずそうな顔をして履歴書に視線を戻した。
そして、
「期間は夏休みの間だけだっけ」
「っ……は、はい」
「……分かりました、宇佐美さんを雇います」
その言葉に私としーちゃんは顔を見合わせた。どうしよう、自分のことのように嬉しいよ。
「やったねしーちゃん!」
「う、うん!」
いえーい、と手を二人で合わせると今度は店長のところへ駆け寄って「ありがとうございます!」と両手で彼の右手を掴んでぶんぶんと上下に振った。
「店長ありがとー! 大好きです!」
「取り敢えず小野さんと一緒の時間にシフト入れるからね。ちゃんと見てあげてね」
「分かってますよぉ」
「頑張ってね、頼りにしてるよ」
あと手握っちゃだめだからねと促されしぶしぶと彼の手を離す。
そんな私に店長はいつものように困ったような表情を浮かべた。明日の天気が雨だと知った時のような顔だ。
「さっきは俺のこと嫌いってムードだったのに」
そんないじけた様なセリフに私は思わず笑う。
「私が店長のこと嫌いになるときなんてないですから」
これからもずっと覚悟しててください、と得意げに告げるとそのまましーちゃんのことを連れ出す様に事務室を出た。
出る瞬間にしーちゃんが戸惑いながらも店長に向かって深くお辞儀をするのが見えた。
お店を裏口から出ると「瑞希ちゃん!」と声が掛かる。
「いいのかな出てきちゃって。まだ詳しいことは何も」
「いいんじゃない? 履歴書渡してるんだし帰ったらしーちゃんに連絡来るよ。その時にシフトの話もしてくれるって」
「……そ、」
そうなのかな、と心配そうな彼女に「そうなんだよ」と笑った。
それからは彼女と手を繋いだまま駅へと向かう。
「私ね、同じ年の子バイトにいなかったから寂しかったの。バイトの人は全員いい人だけどね。だからしーちゃんのこと嬉しかったの」
「……瑞希ちゃんって」
「ん?」
「……て、店長さんのこと、好きなの?」
「うん」