早速その日の放課後、宇佐美さんをジョイストへと連れて行った。
その間で私は宇佐美さんと約束を三つした。メモ帳は使わないこと。面接の途中で諦めないこと。

それから私にはタメ口を使う事。


「ほら、私たち同じ歳だし! 敬語使うのも変だよ!」

「……そ、そうだね」

「私の事も名前で呼んでくれていいからね! 瑞希っていうんだ!」

「……じゃあ、み、瑞希ちゃん」

「~~!」


可愛すぎる。

こんなスイートボイスで名前呼ばれたら顔が勝手にニヨニヨしてしまう。
私は「じゃあ宇佐美さんの事はしーちゃんって呼ぶね! 雫のしーちゃんね!」と言うと彼女は顔を傾ける。私の素晴らしいネーミングセンスに脱帽しているのだろう。

ジョイストに着くと宇佐美さんもといしーちゃんを連れて従業員入口へも向かった。


「私もここから入っていいの?」

「うん、面接だからね。あ、一応履歴書持ってきてるんだっけ?」

「持ってるよ」

「じゃあそれも渡そっか」


どうやら私に会った時に渡しておこうと思っていたらしく彼女は面接を受ける準備を完璧にしていた。
それぐらい本気でコンプレックスを克服したいらしい。

私たちは中へ入ると事務室へと向かう。


「取り敢えず店長に言えば何とかなるかな」