「え、えっと、お手紙ありがとう。何さん?」
そう聞くと彼女はまたそのメモ帳に文字を書き始めた。
【一年四組の宇佐美雫と言います】
「あれ、隣のクラスだ」
【小野さんと話がしたくて】
マスクをしていて表情が見えない彼女はそう言うとまたポケットからあるものを取り出して私へと見せた。
それは私がこの前作ったアルバイト募集のポスターだった。
「これ……え!? もしかしてアルバイト希望者!?」
まさか!、と彼女を驚きの目で見ると控えめにゆっくりと頷いた。
目が大きくて髪の毛が長い彼女、隣のクラスの宇佐美さんは見たからにおどおどとした様子で未だ緊張しているみたいだ。
というかずっと気になっていたけれど……
「何で話さないの?」
「っ……」
ずっとっていうか初めから気になっていた。彼女は口で話さずメモ帳を通じて会話をしていた。
それにその口元を隠すマスクも何やら怪しい。
私が「風邪気味で声が出ないの?」と聞くと少し返答を迷った後静かに首を横に振った。
そして再びペンを走らせるとその文面をこちらに見せる。
さっきよりも震えた文字だった。
【私、声が変なんです】
「声が変?」
またペンを走らせる。
【変わった声をしてて人前で話すのが恥ずかしいんです】
「え!?それでずっとこれ!?」
【はい】
メモ帳を大事そうに両手で持つ彼女は凄くか弱い女の子に思えた。
つまり声がコンプレックスってことなのか。今までずっとこうやって文字を書いてきたのかと思うと驚きしかない。
そう聞くと彼女はまたそのメモ帳に文字を書き始めた。
【一年四組の宇佐美雫と言います】
「あれ、隣のクラスだ」
【小野さんと話がしたくて】
マスクをしていて表情が見えない彼女はそう言うとまたポケットからあるものを取り出して私へと見せた。
それは私がこの前作ったアルバイト募集のポスターだった。
「これ……え!? もしかしてアルバイト希望者!?」
まさか!、と彼女を驚きの目で見ると控えめにゆっくりと頷いた。
目が大きくて髪の毛が長い彼女、隣のクラスの宇佐美さんは見たからにおどおどとした様子で未だ緊張しているみたいだ。
というかずっと気になっていたけれど……
「何で話さないの?」
「っ……」
ずっとっていうか初めから気になっていた。彼女は口で話さずメモ帳を通じて会話をしていた。
それにその口元を隠すマスクも何やら怪しい。
私が「風邪気味で声が出ないの?」と聞くと少し返答を迷った後静かに首を横に振った。
そして再びペンを走らせるとその文面をこちらに見せる。
さっきよりも震えた文字だった。
【私、声が変なんです】
「声が変?」
またペンを走らせる。
【変わった声をしてて人前で話すのが恥ずかしいんです】
「え!?それでずっとこれ!?」
【はい】
メモ帳を大事そうに両手で持つ彼女は凄くか弱い女の子に思えた。
つまり声がコンプレックスってことなのか。今までずっとこうやって文字を書いてきたのかと思うと驚きしかない。