という訳で、
「ねぇ、誰かバイトしない?」
「「パス」」
「……」
すぐさま返事をした彩葉と光里を思わず絶句した。返事が早すぎる。この二人には期待していなかったけれど。
「私たちがバイトするわけないじゃん」
「だと思った」
「もっと効率的に探さないと。クラスで帰宅部の子とか文化部で忙しくない子とか」
「君たちどちらにも入ってますけど」
それでもこの二人が自分から働くようなことはしないだろうと心の何処かで踏んでいた。
だったら別に人を探さなければいけないのだが、意外と勧誘って難しいかもしれない。
「ウチの学校バイト禁止じゃないんだしポスターとか作って貼るとか」
「お、それいいねぇ」
「簡単に許可出そうだし、そんな一人ひとりに聞いていったら終わるのいつになるか」
何気に色々とアドバイスをくれる我が親友たち。やっぱり持つものは友達である。
彩葉は「張り切ってるねぇ」とまじまじと私のことを見つめた。
「例の店長からのお願い?」
「そうそう、一任されちゃってて」
「そんなに期待してなかったりしてね」
ケラケラと笑う光里に私はむっとする。
そんなことはない。店長は私にだけお願いしてくれたのだ。きっと私が新しいアルバイトを連れて来てくれると信じてくれてる。
そんな店長の為にもどうにかして大型新人を連れて行きたいものだ!
「じゃ、早速ポスターから作ろー」
「上手いこと書くのよ、時給とかシフトとかも」
「大丈夫でしょ、瑞希これでもこの中じゃ一番頭がいいんだし」
そんな光里の言葉をスルーして私はもうポスターの構図を考えていた。