フロアに向かう途中に店長と目が合ったけどあからさまに逸らしてやった。
「イチゴパフェとチョコレートブラウニーパフェでございます」
「これ瑞希が作ったの?」
「ノンノン。イケメンシェフが作ったよ」
間違いではない。桐谷先輩はどこからどう見ても確実にイケメンなのだから。あれで彼女持ちなのだから。有名大学に通っているのだから。少し性格に難はあるが羨ましい存在である。
美味しそー、と早速手を付け始める光里に対して彩葉は「瑞希ちょっと」と私のことを呼び寄せるとコソコソと耳元で囁いた。
「店長じゃ無くてもイケメンな人いるじゃん」
「え、誰」
「あの人あの人」
そう言って彩葉が指差した方向の先を見つめるとそこには一人のウェイターが。
あれは蒼先輩だ。やっぱり蒼先輩はイケメンなんだな……て、違う! あれは紅先輩だ! 左耳にピアスを付けている! 蒼先輩はピアスの穴を開けてないから私があの双子の違いを確かめる方法はこれしかないのだ。
しかしここまでそっくりだと本当に遠目から見たら同一人物に見えて仕方がない。
「ねー、超イケメンじゃん。なんであっちにしないの?」
「あ、あれはねぇ……」
「彩葉が言ってた人? 確かにイケメンだよねー。でも彼女いそう。ああいう感じ」
「分かるー。高嶺の花って感じだよね。清楚そうでいいよね」
「(清楚……?)」
二人の理想を崩さないためにも、紅先輩の威厳を守るためにも彼の性格については黙っておこう。
「イチゴパフェとチョコレートブラウニーパフェでございます」
「これ瑞希が作ったの?」
「ノンノン。イケメンシェフが作ったよ」
間違いではない。桐谷先輩はどこからどう見ても確実にイケメンなのだから。あれで彼女持ちなのだから。有名大学に通っているのだから。少し性格に難はあるが羨ましい存在である。
美味しそー、と早速手を付け始める光里に対して彩葉は「瑞希ちょっと」と私のことを呼び寄せるとコソコソと耳元で囁いた。
「店長じゃ無くてもイケメンな人いるじゃん」
「え、誰」
「あの人あの人」
そう言って彩葉が指差した方向の先を見つめるとそこには一人のウェイターが。
あれは蒼先輩だ。やっぱり蒼先輩はイケメンなんだな……て、違う! あれは紅先輩だ! 左耳にピアスを付けている! 蒼先輩はピアスの穴を開けてないから私があの双子の違いを確かめる方法はこれしかないのだ。
しかしここまでそっくりだと本当に遠目から見たら同一人物に見えて仕方がない。
「ねー、超イケメンじゃん。なんであっちにしないの?」
「あ、あれはねぇ……」
「彩葉が言ってた人? 確かにイケメンだよねー。でも彼女いそう。ああいう感じ」
「分かるー。高嶺の花って感じだよね。清楚そうでいいよね」
「(清楚……?)」
二人の理想を崩さないためにも、紅先輩の威厳を守るためにも彼の性格については黙っておこう。