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「もうそろそろ、次期社長としての自覚というものができてきたか?」
前菜のセビチェを口に運ぶ親父は今日もうるさい。
俺の家は海外進出もしている大手ファッションブランド『raspberry』。俺は、そこの御曹司にあたるのだが…。
「ずっと言ってきてるが、まさか、まだデザイナーをやりたいなんて言わないよな?」
「そうよ。それに、情報屋とかいう遊びもいつまで続けるつもり?後二年したら、あなたは社長になるんだから、もっと色々勉強して…」
「俺は社長にはなんねぇよ。それに、情報屋もやめねぇ。何回言わせんだ。」
…そう。俺は、昔から社長という地位になりたくなかった。それは今も変わってない。
なぜなら、俺はデザイナーになりたいし、そちらに専念したいから。
なによりも、俺にそういうリーダーみたいなこと似合わない。
「…はぁ。お前には毎度毎度失望されるな。」
親父は大袈裟にため息をつく。
俺はそれを聞いてないふりをした。
……俺が、『perfect crime』に属する理由。
それは、この両親を見返す為だ。
俺の夢は自力で情報を集め、自分がデザイナーとしてブランドを開設すること。
──こいつらの言いなりになんてぜってぇなってやんねぇ。
片されていく前菜の皿と、新たにやってきた冷静ポタージュを一瞥した後、俺は両親を睨んだ。
「もうそろそろ、次期社長としての自覚というものができてきたか?」
前菜のセビチェを口に運ぶ親父は今日もうるさい。
俺の家は海外進出もしている大手ファッションブランド『raspberry』。俺は、そこの御曹司にあたるのだが…。
「ずっと言ってきてるが、まさか、まだデザイナーをやりたいなんて言わないよな?」
「そうよ。それに、情報屋とかいう遊びもいつまで続けるつもり?後二年したら、あなたは社長になるんだから、もっと色々勉強して…」
「俺は社長にはなんねぇよ。それに、情報屋もやめねぇ。何回言わせんだ。」
…そう。俺は、昔から社長という地位になりたくなかった。それは今も変わってない。
なぜなら、俺はデザイナーになりたいし、そちらに専念したいから。
なによりも、俺にそういうリーダーみたいなこと似合わない。
「…はぁ。お前には毎度毎度失望されるな。」
親父は大袈裟にため息をつく。
俺はそれを聞いてないふりをした。
……俺が、『perfect crime』に属する理由。
それは、この両親を見返す為だ。
俺の夢は自力で情報を集め、自分がデザイナーとしてブランドを開設すること。
──こいつらの言いなりになんてぜってぇなってやんねぇ。
片されていく前菜の皿と、新たにやってきた冷静ポタージュを一瞥した後、俺は両親を睨んだ。