────────────────────────
──────────────────
─────────────




榊さんに呼ばれて講義は終わった後に部室に顔を出すと、そこには彼と瀬川さん以外にもう一人男の子がいた。


「よっす、荒木くん。こっちのちんまいのは竹中、一応サークルの仲間。今日はわざわざ顔を出してくれたんだ」

「初めまして、竹中です。一回生なのでタメ口で大丈夫です」

「え、うん。よろしく」


握手を求められたので手を伸ばすと竹中くんはうんうんと軽く頷いた。160㎝ぐらいだろうか、大学生の男子にしては身長が低い子だ。
するとパイプ椅子に座っていた瀬川さんが「それで」と会話を切り出す。


「竹中くんまで呼んで今日は一体何をするんですか?」

「折角荒木くんが新しく入ってくれたんだ。今日は一緒に外に出てみんなで撮影会をしないか?」

「撮影会?」


フィールドワークのようなものだろうか。どこか張り切った様子の榊さんは「行くぞー!」と一人カメラを持って部室を飛び出していった。
後に続いてやれやれと部室を後にする彼らを追って、荷物を置くとカメラだけを持って外に出た。