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後日、一日の講義全てが終わるとサークルの部室へ向かう。大学には非公認のサークルも多いのだが写真サークルは大学からの公認を受けているらしい。
と言っても文科系のサークルなのでそんな規模の大きなものでないとは思っている。


「ここか……」


写真サークルのチラシが貼られている白い扉の前に立ち尽くす。しかしこれで本当によかったのだろうか。
あの写真の女性が誰なのか、知りたいようで知りたくない。

こんな下心を持った人間がこの門を潜ってもいいのか?

と、


「うちに何か用?」

「っ……」


背後から聞こえた声に体ごと振り返る。するとそこにいたのは長身で短髪の男性だった。
カジュアルなカーキ色のジャケットを身に羽織った彼は「ん?」とこちらを見下ろす。


「まだ誰も来てないと思うけど。どうかした、眼鏡くん?」

「め、眼鏡……」


自分のことかと右手で眼鏡のフレームを持ち上げた。
多分先輩だ。しかし彼からは年上特有の威圧感は感じられず、ただ単純に部室の前にいる人間に対して疑問を抱いているようだ。

意を決してサークルに所属したい節を話すと彼は驚いたように声を上げた。


「え、マジ? 嬉しいんだけど。じゃあちょっと中入って話そうか」

「は、はい……」


彼はジャケットのポケットから鍵を取り出すと部室の鍵穴にそれを差し込んだ。
どうぞ、と誘導され部屋の中に入る。すると六畳ほどの空間に長机が二つ並んでおり、その上にはノートPCが置かれているだけの殺風景な景色が視界に広がった。


「狭くてごめんねー、そこ座ってくれる?」

「……はい」


長机の横に設置されているパイプ椅子に腰掛けると彼も向かいの席に着いた。
というか今日はサークルの活動日ではないのだろうか。他に誰もいないようだが。