それに合わせてこの整った顔の持ち主だという。なんだか自然と無意識で相手の好感度を上げていく人なんだろうな。
「そういえば荒木くんはSNSとかやってるの?」
「……LINEなら」
「他は? 写真載せるアカウントとかあるの?」
ないですね、と答えると彼は「え」と視線をこちらに向けた。
「それじゃあ撮影した写真は自分で楽しんでるんだ?」
「あと祖母に見せたりしてますね」
「ウッ!!」
「え、どうしたんですか」
「いや、ピュアすぎて心臓がちょっと」
突然胸を押さえ始めた彼に目を見張る。急に意味不明な行動に出るな、この人。
でもそうか、結構自分の写真をネットに載せている人っているんだな。
「天もやっててさー、なんかこだわってるみたいなんだ。ほら」
そう言ってスマホの画面をこちらに向けられ、思わず視線が止まる。
天使のマークが付いたアカウント名のそれには沢山の写真が掲載されている。
空や建物を撮ったものや、人物が映っているもの。色合いにもこだわりがあるのか、一覧で見た時に綺麗にグラデーションになるように投稿されている。
「結構人気のアカウントでさ。確か高校の頃からやってるって言ってたかな」
「……」
「天に最初にカメラ教えたの俺だし、結構鼻が高かったりして」