「わ、たしが人見知りなだけだから……ごめん……」

「え、いや……それは僕もだし」

「……榊さんがさ、サークル内じゃ先輩だから色々教えてあげてって無茶ぶりしてきて」


なんだ、榊さんに言われたからなのか。竹中くんの予想だと二人は付き合っているかもしれないのだから、榊さんの言うことなら瀬川さんも力に貸すのかもしれない。
そっか、二人は付き合っているのかもしれないのか。そんなことを思うと何故か胸の内に複雑な思いが立ち込める。


「同じ年だし気を遣わなくていいよ。って、僕が言うのもなんだけど」

「……うん」

「僕も、カメラのこと教えてもらいたいし」

「うん」


そう言って、軽く微笑んでくれた彼女に何故か記憶の奥にあった夕焼けの写真を重ねてしまったのは何故なんだろう。