「 ねえねえ!一緒に食べても良い?」
「 うん!」
と、笑って言ってくれた。私は、勇気を出して声を掛けて、良かったーと自分の行いを誉めた。それに、嬉しそうな顔をしてくれて、私も嬉しいな~と思った。イイ太郎の椅子に座って、お弁当の蓋を開けて、卵焼きを一つ食べて今度は話しかける勇気を蓄え、
「 ねえ、名前は何て言うの?」
と、聞くと驚いたのか目を丸く見開き、恥ずかしいそうにもしながら、
「 井上......雪...。」
と、私の目を見て教えてくれた。だから、私も彼女の目を見て
「 私の名前は青木 結奈。結奈で良いよー。」
「 うん!じゃあ、私も雪で良いよ。」
「 OK!雪!」
「 あと、結奈の事を知らない人はこのクラスにはいないと思うよ?」
「 えっ⁉何で⁉私、何かやらかしたっけ⁉」
「 ううん!だって、一番じゃん!出席番号!」
「 あー、そういう事か~。なるほどねー。」
「 だから、羨ましいな~。」
「 えっ⁉全然、良い事ないよ⁉」
「 そうなの⁉」
と、二人で時の流れを忘れて、ずっと話していた。お互いの趣味の事とか、好きな事とか、とにかく、めちゃくちゃ楽しかった。
 そして、いつの間にかチャイムが鳴り、イイ太郎が戻って来て、せっかく話していたのに、イイ太郎が私の頭にチョップをしてきたもんだから、会話は強制的に終わらされた。だから、私も負けじと、その丸メガネをかけてチョップをしてもカッコ良く決まんないよねって言った、すると、次の授業担当の先生に青木さんが授業をサボろうとしてまーすって言ったせいで、めちゃくちゃ怒られた。クラス委員長という立場を使って。そのおかげで、私だけ反省文を書いてくる宿題をもらった。こんな事があったけれども、なんとか高校生活の初日を終えた。