そこには、さっきまで新入生に話をしていた校長先生いや田口校長先生らしい字で短い文章が書かれていた。



青木さん、「魔女」になりませんか?いえ、なってくれませんか?
田口



と、書かれていた。私はフリーズ状態になった。だけど、すぐに返事は決まった。すぐに返事をしたかった。だから、走った。職員室まで。全力で。自分でも何でなろうと思ったのか分からない。だけど、やりたかった。めちゃくちゃ。
「 失礼します!校長……先生は……ど…こに……いらっ…しゃ…い……ます…か?」
と、途切れ途切れに聞いたら橋倉先生が私の所に来て
「 どうした!?青木さん!そんなに呼吸が乱れて。何かあった?もしかして、変えたくなっちゃった?良い意味で。」
と、何かを企んでいるかのような笑みで聞かれた。私は、あ〜やっぱり、この先生、少し心配だな〜と思いながら、私は子供らしく
「 うーん…やりたくなっちゃったかな!だから、今すぐに返事したいと思って人生で一番の全力疾走して来ました。」
と、最後は笑顔で言うと橋倉先生は一瞬、目を見開いて驚いた顔をしたけど
「 そうか。校長先生は校長室にいるよ。それと今、青木さん、良い顔してんな!その調子で、もう一回人生で一番の全力疾走しといで。」
と、言われた。私は
「はい!失礼しました!」
と、言って、また走った。あの先生は心配だけど信頼はしても良いかもと思った。そして、とうとう着いた校長室の前で呼吸を整えてノックを二回した。中からは優しいそうな声が聞こえた。