私の名前は青木 結奈。高校1年生。私の通う学校には代々、伝わっている物語がある。
__初代校長は、とても優しく生徒達からも教師達からも好かれ信頼されている人だった。だから、学校の生徒達は校長先生が喜ぶ事をしよう、教師達は校長先生が困った時はいつでも助けれるようにと、みんな校長先生の事が大好きだった。今では珍しいが私の通っている学校はそうだった。進学校という事もあり、比較的、真面目な生徒が集まっていた。
そして、とある日の職員会議で「虐め」の問題について話し合いをしていた。なかなか解決方法が出ず、教師同士で対立して、何とも言えない気まづい状況になった時に初代校長が口を開いた、
「 先生方に提案したい事があります。」
と、言うと1人の教師が
「 何ですか?校長先生。提案事とは。」
と、言うと、待っていたかのような顔で教師一人一人の顔を見て、言い聞かせるように
「 私達、教師と生徒が共にこの学校で過ごす時間は長いようで短く、短いようで長いです。そして、私達、教師が気付けず一人で苦しみ、悩む生徒が沢山います。だから生徒の中から、そういった問題を解決し、困っている生徒、助けを求める生徒を手助ける生徒を一人決めたいと思うんですが、どう思いますか?」
という、ぶっちゃけた提案をした。教師達は悩んだ。だけど信頼する校長先生が言うのだから従おうと決意し、この提案を実行した。その年から「魔女」を決め問題、全てが解決した訳ではないが格段と学校の雰囲気は変わっていった。
という話の通り、この学校では毎年、高校1年生から、問題を解決する生徒を選ぶことが伝統になった。そして、その伝統はいまだに続いている。簡単に言うと。私はこの話を入学式で聞いて正直、馬鹿馬鹿しいと思った。そんな事、出来るわけない。自分でどうにかしなよって。だけど、少しだけ羨ましいとも思った。なぜかは、いまだに分からない。私自身が思った気持ちだけど。そして、入学式を終え、担任と副担任の先生の長々とした話が終わり、早く帰ろうと教室を出ようとした瞬間、突然、後ろから
「 青木さん!ちょっと待って!」
と、担任の橋倉先生という男の先生が私の目の前までやって来て白い便箋を差し出してきたので
「 えっ…何ですか?この便箋は…」
と、聞くと満面の笑みで、
「 ん?さぁ〜何でしょ〜う。校長先生から渡すように頼まれたから分からないな〜。でも、君が良い意味で変わる事を祈るよ。じゃあ、来週の月曜日は遅刻しないように来いよ!遅刻したら、みっちり居残りしてもらうからな!気を付けて帰れよ!」
と、明るい声で言い、満面の笑みをまた、して教室から出て行ってしまった。変わった先生だな、これから大丈夫かな、私のクラス、と少し不安な気持ちになり、ふと教室を見ると私だけだった。とても静かで窓から差し込んでいる光が心地よくて自分の席に鞄を置いて、窓の方へ自然と歩いていた。ちなみに私は出席番号が一番だから廊下側の列の一番前。いつもの事だから、もう慣れた。だけど、窓側の席にはあまり、ならないから誰もいないけど少し緊張しながら近づいて行く。窓を開けてみると温かく心がほっとなるような風が吹き込んできた。今日の疲れが滑り落ちていくような感覚だった。ふと思い出したかのように、私は手に持っている便箋を開けた。