「こんなに頼み込んでるのに断るなんて、お前はそれでも男か!」
幸祐に叱咤されたとことで痛くもかゆくもないのか、春樹は切り損じてしまった和紙に手を伸ばす。
もう会話をする気もないらしい。
萩野は春樹のそんな態度に諦めのため息を吐き出す。
しかし、ふとなにかを思い出したように巾着を出したのとは逆側の袖に手を突っ込んだ。
「今日は突然押し掛けてしまって、すみませんでした。これ、つまらないものですが」
そう言って差し出されたのは草だんごと書かれた箱だった。
それを見た瞬間春樹の目の色が変わった。
「これは高木屋の草だんごか?」
「はい。そうです」
春樹の喉がゴクリと鳴る。
大切な宝石を扱うようにそっと箱を開ける。
中に入っているのは草だんごとあんこだ。
箱の中で別々に入れられていて食べるときにだんごの上にあんこを乗っける。
また、春樹の喉がゴクリと鳴った。
箱に入っている楊枝を使うことなく、素手で草だんごを掴もうとしたとの時だった。
隣りから手が伸びてきて春樹の手をパチンと叩いていた。
幸祐に叱咤されたとことで痛くもかゆくもないのか、春樹は切り損じてしまった和紙に手を伸ばす。
もう会話をする気もないらしい。
萩野は春樹のそんな態度に諦めのため息を吐き出す。
しかし、ふとなにかを思い出したように巾着を出したのとは逆側の袖に手を突っ込んだ。
「今日は突然押し掛けてしまって、すみませんでした。これ、つまらないものですが」
そう言って差し出されたのは草だんごと書かれた箱だった。
それを見た瞬間春樹の目の色が変わった。
「これは高木屋の草だんごか?」
「はい。そうです」
春樹の喉がゴクリと鳴る。
大切な宝石を扱うようにそっと箱を開ける。
中に入っているのは草だんごとあんこだ。
箱の中で別々に入れられていて食べるときにだんごの上にあんこを乗っける。
また、春樹の喉がゴクリと鳴った。
箱に入っている楊枝を使うことなく、素手で草だんごを掴もうとしたとの時だった。
隣りから手が伸びてきて春樹の手をパチンと叩いていた。