「うまい」


簡潔に答え、次の羊羹に手を伸ばす。


春樹もひとついただこうと手を伸ばすと、パチンッと手の甲を叩かれてしまった。


「いてっ!」


「これは俺のだ」


「なんだよ、事件を持ってきてやったのは俺だろ!?」


「俺がいないとお前は亜乱の鬼に殺されていただろうな」


「なっ! それ言うのかよ! いいじゃねぇかひとつくらい!」


ギャアギャアと響く2人の声が、平和な街にいつまでも聞こえてきていたのだった。



END