春樹は面倒臭そうに振り返り「お前は質問ばかりだな」とため息をつく。
「し、しかたねぇだろ! 俺はただの一般人なんだからよ!」
「そのわりに俺に仕事ばかり持ってきて、その分け前を欲しがるな」
ギクリとして愛想笑いを浮かべる幸祐。
早くに両親を亡くした幸祐は幼い妹とともに暮らしてきた。
その日暮らすのもやっとの日々が続いていたけれど、大人たちの前で泣いたり笑ったりすることで素直でかわいらしい子だと思われ、お金や食べ物を貰うすべを身につけていた。
いわば乞食のようなものなのだけれど、なんと言われようと気にならなかった。
大人になり、なんとか仕事もできるようになったがその暮らしは楽ではない。
そんなときに出会ったのが自称陰陽師の春樹だった。
ひとりで大量のカステラを買い込んでいる春樹を見て、興味を抱き、幸祐から声をかけたのだ。
「あんた、それひとりで全部食べるのか?」
持ち前の人懐っこい笑みで声をかけたのに、春樹の反応は薄かった。
まるで幸祐に関心を見せず、スタスタと歩く。
幸祐は慌ててその後を追いかけて話かけ続けた。
そしてなんとか名前と自称陰陽師という仕事を聞き出したのだ。
それからというもの、幸祐はことあるごとに春樹の家に行くようになった。
最初は友達として。
「し、しかたねぇだろ! 俺はただの一般人なんだからよ!」
「そのわりに俺に仕事ばかり持ってきて、その分け前を欲しがるな」
ギクリとして愛想笑いを浮かべる幸祐。
早くに両親を亡くした幸祐は幼い妹とともに暮らしてきた。
その日暮らすのもやっとの日々が続いていたけれど、大人たちの前で泣いたり笑ったりすることで素直でかわいらしい子だと思われ、お金や食べ物を貰うすべを身につけていた。
いわば乞食のようなものなのだけれど、なんと言われようと気にならなかった。
大人になり、なんとか仕事もできるようになったがその暮らしは楽ではない。
そんなときに出会ったのが自称陰陽師の春樹だった。
ひとりで大量のカステラを買い込んでいる春樹を見て、興味を抱き、幸祐から声をかけたのだ。
「あんた、それひとりで全部食べるのか?」
持ち前の人懐っこい笑みで声をかけたのに、春樹の反応は薄かった。
まるで幸祐に関心を見せず、スタスタと歩く。
幸祐は慌ててその後を追いかけて話かけ続けた。
そしてなんとか名前と自称陰陽師という仕事を聞き出したのだ。
それからというもの、幸祐はことあるごとに春樹の家に行くようになった。
最初は友達として。