みんな一様にやせ細り、着物から見える白い首筋に骨が浮いているのだ。


なんというか、遊郭全体が怪しい雰囲気に包まれていた。


それを確認した幸祐は大慌てで萩野を遊郭から引き離し、近くの甘味屋で事情を聞いた。


で、泣きじゃくりながら春樹の元を訪れた、ということだ。


「でも、大丈夫なんでしょうか」


萩野が不安そうな表情を幸祐へ向ける。


「春樹のことか?」


「はい。あの人、本当に陰陽師なんですか?」


「まぁ、自称だもんなぁ、怪しいと思われても当たり前だ。でも安心しな腕は確かだから。それになにかあったら俺がついてるしな!」


幸祐はそう言って豪快な笑い声を上げたのだった。