「わかりました、そのあたりは話さないよう徹底します。ね、校長先生」

「そうですね、細心の注意を払います」

「キヨハもわかったな?」

「はーい」

 私と彼がそんな親しい友人になるかどうかもわからないし、というかそんなに気になるのなら私が男子とあまり仲良くならないようにしておけばいいだけだ。私から見て苦手なタイプ、というのはよくわからないけれど私のことを苦手だと思う子は少なからずいるだろうし。

「ジュンイチ、大丈夫だからね」

「ごめんね、キヨハに迷惑かけるつもりはないから、あまり考えなくていいよ」

「ジュンイチが気にするならそこは配慮するよ、さすがに」

「うーん、こうして見てもとても機械には見えないね」

「ちゃんと人間に見えて光栄です」

 なりたいものに見えるかどうかは完全に第三者の評価があってこそだ。私は着実になりたいものになっているらしい。顔がにやにやとしているのが自分でもわかった。ああ、わたしは、きちんと人間に近づいているんだな、いつまでも、まがい物には違いないくせに。