そういわれてみると、女を最初見た時から、どこかで見た顔だと思ったし、着ている服や雰囲気が「時間ですよ」に出ていた頃の、浅田美代子に似ているとも思った。
「しかし君はどう見ても、二十代前半だよね」と私が言うと、
「死んだ者は、年取らないのよ」と若い女が、何食わぬ顔で言った。
「と言うことは、やっぱりキミは幽霊なのか?」と私が聞くと、
「ヤスオ君、まだ思い出さないの? ワタシよ、サヨコよ。高校二年生の時、半年くらい付き合ったじゃない。覚えてないところを見ると、ワタシのこと、本当に弄んだだけだったのね」と若い女が言った。