「キミが何と言っても、オレはヤスオ君じゃないんだよ。じゃあ証拠を見せるから、ちょっと待ってよ」

 そう言って車を止めると、私はポケットの中の財布から免許証を取り出して、女に見せた。

「どうせこれ、誰かの免許証でしょう? 嘘言ってもワタシには分かるのよ」

 どう言っても、女は私の言う事を信じない。

「まいったなぁ、どうしたら信じてもらえるかなぁ、で、一体君はそのヤスオ君に何をしたいわけ?」

 私は、少し話の展開を変えてみた。