「サヨコ? そんな名前の子と付き合った記憶が無いし、そもそも高校時代に彼女なんていなかったしね、キミ誰かと勘違いしているんじゃない? 第一オレ、ヤスオって名前じゃないし……」

「ヤスオ君、嘘つかなくてもいいわよ。プレイボーイで、今迄に六十九人の女性と交際してきたから、ワタシのことなんか覚えているわけないわよね」

 サヨコが自信たっぷりに言うが、私はそんなに女の子と付き合っていない。

「悪いけど、オレ本当に、キミが言うヤスオ君ではないんだよ。それに今迄オレが付き合った女の子は六人だけだしね、絶対キミの勘違いだから」

「どうしてそんな嘘をつくの、もうアナタの事怨んでないから、大丈夫よ」