あたしは契約書を作り次第また持参すると言って、次回のアポをとる。
早い方がいいというオーナーの意向に合わせ、明日の同じ時間に訪問する事に決めた。


営業所に戻ると、慌ただしく必要な書類の作成に明け暮れた。

今日は新人教育の日でもあるから、新しく入った職員とのロールプレイもしなければいけない。
まだあたし以外の班のみんなは戻っておらず、あたしはひたすらパソコンと格闘していた。
班のみんなが帰ってきた頃には、あたしは新人とのロールプレイに入っていた。

そして今度あたしが終わって席に戻った時には、みんなの方が直帰だったり顧客に会いに行ったりで、結局その日はみんなには会えなかった。

翌日も朝から忙しく、朝礼後に損保の研修があったり、本社の教育課から配信される小テストをやらなきゃいけなかったりと、とにかく慌ただしかった。

そして互いにアポの時間が迫り、今日はほとんど班のみんなと話ができないまま外へ出かけた。

あたしは昨日の約束の通りまたエステサロンへやってきていた。
重要事項を説明して契約書に必要事項を記入してもらい、押印してもらう。
そんな一連の作業を済ませ、お礼を言って帰ろうとしたあたしをオーナーがとめた。

「飯田さん、せっかくだから、施術させてちょうだいよ！なんか疲れてるみたいよ～。お肌なんかもきちんとお手入れしてないんじゃない？」