でも違った。
忘年会が開きになるまで、彼女は私の隣に座って、田辺さんがまた大声で何かを言っているのを遮るように、プライベートな話を持ち掛けてくれた。
彼女が怖いなんて一つも感じなかった。
私が聞いたあの噂話を彼女に問うと、「そんな噂が広がってたの? ……真に受けないでね」と困った顔をしていた。
その日の翌日に店に行くと、私用で忘年会にいなかった佐保さんが、田辺さんを正座させて叱っている場面に遭遇した。
なんでも他の社員から、忘年会での飲みっぷりと大声を出していたと告げ口をされたらしい。
更に「新卒社員をいじめるなんてダサいことしてないで、仕事しなさい!」と一喝されていた。
丁度私が入ってきたことに気付いた佐保さんは、「何でもいいから相談してね」と一声かけてくれた。
深くは追及してこなかったけど、何かあったら察してくれる――井浦さん、佐保さんとの丁度良い距離が、私の安定剤だった。
感謝してもしきれない。
この二人が居なければ、きっと私は今日まで続けてこられなかっただろう。
忘年会が開きになるまで、彼女は私の隣に座って、田辺さんがまた大声で何かを言っているのを遮るように、プライベートな話を持ち掛けてくれた。
彼女が怖いなんて一つも感じなかった。
私が聞いたあの噂話を彼女に問うと、「そんな噂が広がってたの? ……真に受けないでね」と困った顔をしていた。
その日の翌日に店に行くと、私用で忘年会にいなかった佐保さんが、田辺さんを正座させて叱っている場面に遭遇した。
なんでも他の社員から、忘年会での飲みっぷりと大声を出していたと告げ口をされたらしい。
更に「新卒社員をいじめるなんてダサいことしてないで、仕事しなさい!」と一喝されていた。
丁度私が入ってきたことに気付いた佐保さんは、「何でもいいから相談してね」と一声かけてくれた。
深くは追及してこなかったけど、何かあったら察してくれる――井浦さん、佐保さんとの丁度良い距離が、私の安定剤だった。
感謝してもしきれない。
この二人が居なければ、きっと私は今日まで続けてこられなかっただろう。